Grüezi,
前回の記事で晒した素人感は一切無視して、Degronについて少しずつ深掘りします。
今回の文献はこちら。PDB ID: 6H0F 6H0G
今回使っている結晶構造のDegronはZinc Fingerの構造を持っています。CRBNとPomalidomide及びPOIの重ね合わせがこちらです。
左側のSphereで表示されたZn原子にCysteinが2残基、Histidineが2残基しっかりbindingしています。結合距離は2Åでかなり硬いです。このようにHisとCysがZnを摘んだようなmotifをC2H2 ZF domainとか呼びます。そして今回はこのloop部分がGlyをもつDegronなので、Zinc Finger (ZF) Degronな訳です。
今回著者らは、この部分構造に着目しました。6572個のZinc fingerをIMiDs存在下で分解されるかscreeningしたわけです。結果、11個のZinc Fingerが分解され、そのうち6個は全長が分解されました。
次にタンパクの配列を解析したわけですが、結晶が得られているIKZF3と同じ位置にC2H2とGが配置されていることがわかりました。また、IKZF3に変異を入れて被分解能を確認したところ、C2H2やGはZinc Fingerの構造維持に必要なものの、分解に必要なアミノ酸は別の部分だということが判りました。
いやー同じこと考えてる人なんて世の中にたくさんいるもんだなぁと感心しましたw
ひとまず、Molecular GlueはSBDDアプローチ以外にもInfomaticsアプローチが有効であることは間違いなさそうです。
じゃあSBDDアプローチは出来ないのか?ってのも一つ疑問です。前述したように、CRBNとPOIであるIKZF3はPPIしてる訳ですが、リガンドのIMiDsをPOIと相互作用するようにデザインしたら...?
まだまだMedicinal Chemistの需要は無くならなさそうですね。
Medicinal Chemistryへの理解が残っていればの話ですが。
ではまた次回。