Pymol上の溶媒分子をどうするか

Grüezi,

 

最近湿度が高いですね。電車に乗るたびにもっとPhysical distanceが欲しいと感じて止みません。

そんな訳で今回のお題は溶媒、つまり水分子です。

Pymol上でいくつかのPDBファイルを重ねて表示することがあると思います。その時に、溶媒の水分子ってごちゃついて鬱陶しいことがあります。しかし彼らは、こちらから指定してあげないと表示の切り替えは出来ません。という訳で水分子をどう扱うか、特にコマンドを使って出来る方法を少しまとめてみます。

今回参考にした文献は、たまたま読んだこちらです。

J. Med. Chem. 2015, 58, 20, 8182

PDB ID: 6CEP と6CEOを読み込んでおきます。

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それぞれ表示したら水の位置が違いますよね。

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溶媒を一括で削除する 

delete solvent (and enabled)

and enabledがないと、セッション全体に適用されます。復元できないので、水を確認したい時には手遅れになります。

 

溶媒単独のオブジェクトを作る

create solvent, solvent (and enabled)

extract solvent, solvent (and enabled)

前者は溶媒のオブジェクトを別個に作成しますが、表示のon/offには使えません。後者は抜き出すので、オブジェクトのon/offで表示を切り替えられます。表示のon/offはenable/disable コマンドです。

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溶媒単独の選択オブジェクトを作る

select sol, solvent

hide everything, sol

show spheres, sol

選択オブジェクトを作成し、hideとshowで切り替えます。

対象をsession全体にしておけば、objectごとに切り替える必要はないかと思います。コマンド打つのめんどいですが。

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MaestroのSplit風に管理する

(disable !5cep)

extract s5cep, solvent and 5cep

extract l5cep, organic and 5cep

group g5cep, enabled

だから何って話ですが、PDBごとに溶媒を管理しようと思うとこんな感じです。

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色が変わったのはPyMOLが落ちただけなので気にしないでください…


Presetを使う(番外編)

ligand site > cartoon

コマンド使ってませんが、すっきり見える方法の一つです。

 

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インハウスで複合体共結晶がたくさん取れてきた時とか、皆さんどうしてるんですかね?

いい方法があったら教えてください。